大分県少年の船ブログ

「大分県少年の船の会」が開設する少船情報ブログです。 「第44回大分県少年の翼」開催決定!

副班長さんの弁論大会

2班の副班長あやのさんが、中学校の弁論大会で発表した内容を公開してくれることになりました。

強い意欲と責任感を抱いて少年の船に参加し、班長や班員と共に5日間の研修を乗り越えて、仲間の大切さや少船のすばらしさに気付いたことを書いてくれました。
わざわざ携帯メールで文字入力してくれたことにも感謝します。

ぜひ、読んでくださいね。



〜宝物〜

あの日私は決心した。今度は必ず副班長になって戻って来ると。

小学校6年生の時、ポストに届いた「当選」のはがきに
「沖縄に行ける。」
と、走って家族に報告しに行ったことを覚えています。
その日から待ちに待ち、ついに楽しみにしていた4泊5日の研修がスタートしました。
家族と離れ、知らない人達と生活することが最初は小学生の私にとって少し不安なことでした。
ですが、頼りがえのある班長、優しい副班長のお蔭で、いつからか、そんな不安は忘れてしまい、代わりに「まだ帰りたくない。」、「時間が過ぎなければいいのに・・・」という気持ちが芽生えはじめました。
ですが、別れの時は早く、4泊5日などあっという間に感じられ「また会おうね!」と涙ながらにみんなと約束し、少船という大きな舞台の幕を一度閉じたのでした。



今回、その少年の船に戻ってこれることが決まった時は、思わずジャンプしてしまうほど、とても嬉しかったです。
あの日から、憧れていた副班長としての乗船に、私は胸を踊らせていました。
5月から、7月末の本研修に向かって、着々と準備がはじまりました。
その中で2班だった私は班長と、「28の班の中で、私たちの2班を一番最高の班にしよう。」と、
気持ちを一つに高めていきました。



「みんな元気?」「元気!」魔法の合言葉から、本研修のスタート。
緊張している様子の18人の団員達には、2年前の自分の姿が重なり、
「はやくみんなに安心してもらえる様に、しっかり頑張ろう」と、自然と気合いが入りました。
初日、私は5日間の目標を決めました。それは「率先して行動する」ということです。
たくさんのプログラムが進行する中、副班長は列の先頭でみんなを誘導するため、常に次の行動を把握しておかなくてはいけません。
「副班長がわからなければ班のみんなに迷惑がかかる。」
と、いうリーダーからの指摘に、とても責任を感じました。
なので他の副班長達とも声をかけ合い、集合場所に時間より早く着いた時の達成感はとても大きなものでした。



研修の中で一番嬉しかったことは、団員が、「2班でよかった。」と、言ってくれたことです。
緊張も少しずつとけ、笑顔を見せてくれたことでする様になったみんなから出たその言葉に、班長と顔を見合わせながら、ほころんでいくのがわかりました。
その日の夜の反省会で、班長とその話をし、次の日も頑張ろうと心に決めたのです。
この様に、私達は団員にたくさんのパワーをもらいました。
全く言うことを聞いてくれなかったり、恥ずかしがって話しもあまりでしなかったみんなが、日を増すごとに成長していく姿が、私は大好きでした。
小学生の素直さに、私達が学んだことも多くありました。



最終日、団員のみんなが「今度は副班長になって戻って来るけん。」そう言ってくれたこと、
「5日間ありがとう。」と、たくさんの手紙をくれたことに、涙が止まりませんでした。
そして、私はまた「班長になって戻って来よう!」と強く思ったのでした。
少年の船を通して学んだことは、本当にひたむきに同じ目標に向かって頑張ったみんなとは、心が繋がるということです。
最初は、全員が知らない人だったはずなのに、短くも長くも感じた期間の中で、一人一人が班のためにベストを尽くしたという大きな共通点で、誰でも昔から知っている友人、家族の様に感じます。
そんなみんなに出会えたこの船に、何よりも感謝の気持ちを忘れません。
そして、「友達になるために人は出会うんだよ・・・」というテーマソングの歌詞の様に、これからの生活の中でも沢山の出会いを大切にしていこうと思いました。

この夏一番の宝物・・・・仲間と築いた絆を、私はきっと忘れない。